意外と知らない看護師の退職手続き

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いざ転職先が決まっても次にしなければならないのが、現職での退職手続きです。

退職に関する項目については職場規定に記載されている事が殆どですが、職場毎に記載内容が異なっている事も珍しくはありません。
何故職場毎に退職のルールが異なるのか、疑問を感じる事もあるでしょう。

実は退職とは労働基準法でしっかりとルールが決まっておりますので、しっかりした退職に関する知識を身に付ける事で、スムーズに手続きを進める事が出来、無駄なトラブルを回避する事が可能になります。

今回は退職に関するルールについて学んでいきましょう。

法律上、退職の際にはどうすれば良い?


①期間の定めのない雇用契約は2週間前までに退職の手続きを行う

正社員などの期間の定めの無い雇用契約の際には、実は退職日の2週間前に退職届を提出する事だけでOKです。
実にシンプルでありますね。
民法627条では以下の様な表記になっております。

『当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。』

逆に言えば、職場で何か嫌な事があったとしても明日辞めたい、来週に辞めたい、という突発的な退職は法的に認められない事になります。
この点はご留意くださいませ。

②有期雇用の場合は契約日まで退職する事が出来ません

先程は期間の定めの無い雇用の退職について記載しましたが、今回はその逆で有期契約の場合になります。
※有期雇用とは2020年3月31日まで、といった具合に雇用期間が定められている事です

基本的にはこの期日までは退職する事が出来ません。
しかし、民法628条では以下の様に表記されております。

『当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。』

このようにやむを得ない事由がある際には、退職が認められる事になっている訳ですね。
やむを得ない事由とは明確にどのような項目か定義されておりませんが、一般的に家族の介護、ご自身の怪我、妊娠や出産、明らかに多い残業発生でありますでしょうか。

③就業規則では1ヵ月前の退職と記載されているけど・・・?

先程記載しました通り、労働基準法では2週前までに退職を申し入れる事で退職する事が可能です。
とは言っても、就業規則では1ヵ月前、3ヵ月前、スゴイ所では年度末での退職しか認めないといった、職場毎の独自ルールの元に退職について記載されております。

しかしながら、就業規則より労働基準法が優先されるのは明らかですので、退職日の2週間前に手続きを行えば退職する事が可能です。
では、どうして労働基準法では2週間と期日が決められているにも関わらず、就業規則ではその限りではないのでしょうか。

これは、現在行っている仕事の引継ぎや退職者の穴を埋める為の人員整理や求人募集など、職場側は行わなければならない事が沢山ある為です。
出来る限りは円満に退職する事が好ましいので、余程の事情が無い限りは1ヵ月から2ヵ月前には、退職の申し出を行う事がスマートでしょう。

退職にありがちな悩みと解決法


①職場から退職を拒否されて退職手続きが全く進まない

これは本当に多い出来事かと思います。
私自身も多くの看護師さんから転職先が決まった後の退職交渉で、何か良い手が無いか相談された事がございます。

ただ、全ての国民は職業選択の自由があり、会社を選ぶ権利や辞める権利も民法で認められております。
退職の手続きに関しては、言った言わないの水掛け論を回避する為に、何か証拠を残しておくと良いでしょう。
例えば、退職届を内容証明郵便で郵送したり、メールで退職届を添付する事も有効です。

②有給使用を拒否される

いざ退職日が決まったとしても有給消化の申請を拒否される事もよくある話でした。
有給消化については、拒否されたら取得出来ないと考える方がいらっしゃいますが、法律上では有給消化を申請する事で何ら問題なく取得出来ます。

当然、職場に申請する理由を伝える必要もありません。
有給付与日数については、出勤日数が8割を超えていれば半年経過後に10日付与され、そこから1年経過後に1日~2日ずつ増えていきます。

③退職するに際して法律の観点から脅してくる

退職すると職場に伝えた段階で、法的手続きに基づき何等かの訴え(損害賠償など)を起こされるケースがございます。
しかしながら、労働基準法16条には以下のように記載されています。

「労働契約の不履行についての違約金の定めや損害賠償の予定は禁止」
退職する従業員に対して、違約金や損害賠償を請求する事を盛り込んだ雇用契約は、民法上でも当然認められてはおりません。

④働きたいのに退職を強要される

本当に酷いブラック企業では、働く意思のある従業員に無理やり退職を迫りそのまま強行する、という事もございます。
例えば、ハローワーク経由で採用を行った際、条件を満たせば会社側は助成金が振り込まれますが、この助成金目当てで人を雇用しては退職させ、を繰り返すようです。

しかしながら会社側は本来、従業員を退職させる事については、民法上でも非常に厳しい制約がありますので、従業員自らが自主退職するようにパワハラをするケースが横行する訳ですね。
当然このような行為は民法上でも認められてはおりません。

退職するまでの流れ

基本的には前項のようにここまで話がこじれる事は無いでしょう。
それでは一般的にどのように退職手続きを進めていく事がスムーズなのでしょうか。

①退職意思を伝える

まずは出来るだけ早いタイミングで退職の意思を職場に伝えます。
民法上では2週間後の退職が認められておりますが、可能な限りしっかり引継ぎを行い円満に退職を行いましょう。

職場から退職の承認を得る事が出来ましたら、退職届を提出します。
退職届のフォーマットは職場規定がある場合があるので、確認しましょう。

②有給休暇を消化する

退職日が決まったら逆算して有給休暇を消化していきます。
前述した通り、有給が付与されている従業員はそれを行使する権利がある為、基本的には堂々と申請手続きを行いましょう。

有給休暇の買い取りに関しては民法での決まりも無く推奨出来る行為では無い為、可能な限り全て消化を出来るように退職日を逆算していくと良いでしょう。

③転職先が決まっていない場合は社会保険や年金手続き等を行う

例えば9月退職で10月入職の場合、保険等の手続きは職場が行ってくれます。

しかしながら、退職後に転職先がまだ決まっていない場合はハローワーク経由で失業保険を受け取れる可能性があります。
失業保険は、2年以上雇用保険に加入、転職先未定といった条件があれば、受け取る事が出来ます。

次の職場が決まっていても数か月のブランクが発生する場合には、健康保険の手続きが必要になりますので、その点は少々手間に感じますでしょうか。
国民健康保険への加入に変更を行ったり、家族の扶養に入るなど、詳しくは自治体の専門窓口にてご相談してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
退職については民法上の決まりがしっかりと定められておりますので、何かトラブルが発生した際にはしっかりした知識を持った上で対応していきたいですね。
職場とは可能な限り円満に退職していきたいところですので、良い退職をしていただき、次の新天地に移っていきましょう。

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