看護師M.Oさんの恐怖の夜勤体験談

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しゃべくる看護では、看護師さんの転職を応援するサイト「ナースJJ」を通し、看護師さんから体験談を募集しています。
今回「看護師になって体験した恐怖の夜勤」というテーマで体験談を募集したところ、看護師のM.Oさんより投稿をいただきました。
梅雨の蒸し暑さを忘れるような、背筋の寒くなるお話です。

看護師になって体験した恐怖の夜勤


看護師M.Oさんより

心霊現象の噂はあったが、信じていなかった。あの日までは…

初めて勤務をした病院での体験談です。
伊豆の山中にあったその病院は、一応一般病床もありましたが、ほとんどが療養病床でした。
入退院はあまりなく、退院しても帰る場所がない方々が多かったように記憶しています。
その為か、患者さん達も入院生活というより、ここに住んでいるという感覚の方が多くいらっしゃいました。

帰る場所がない為に、御逝去後の行き先、受取手がおらず、亡くなった患者さんは火葬された後、骨壺に納められ、院長室に運ばれていると聞いたことがあります。
今思えば異常ですが、新人で就職した私は「そういう病院もあるんだな」位にしか思っていませんでした。

そんな事があってか、職員の間でも「夜勤中に白い影を見た」とか、「廊下の奥から物音がする」「監視カメラに大量のオーブが写っていた」と言った、心霊現象を疑うような体験をしたという方が多くいらっしゃいました。
しかし我々看護師、「お化けよりも認知症の患者さんが点滴抜いて血まみれとか、タバコ吸って火事とか、急変している方が怖い!そもそもお化けなんて居ないでしょ!」と思っている方が多いと思います。
実際私もそう思っていました。あの体験をするまでは。

ある夜勤の日、薄暗い廊下の奥から…

入職して1年足らずでしたが、病院の特殊なやり方についていけず、私は転職の為退職を予定していました。
ある日の夜勤での事です。その日は退職を控えた私に、休憩時間の合間、先輩が激励しに来てくれました。
談笑し、挨拶を済ませて先輩を見送りました。

時計を見ると時間は2時過ぎ、ルーチンワークのポジショニングとオムツ交換の時間でした。
季節は冬だったので建物内は暖房が入り、廊下まで生温かかった事を覚えています。
看護助手と私は仕事に取り掛かろうと、2箇所あるナースステーションの出入り口から、それぞれ電灯を手に廊下に出ました。
その瞬間、今まで生温かかった空気が一気に寒くなりました。

私が振り返り、「あれ?、窓開けた?」と看護助手に言い終わるか終わらないうちに、廊下の奥でズリズリっと何かを引き摺るような音が聞こえました。
音の方を向き直り、電灯で照らしますが何も見当たりません。
しかしズリズリという音は近づいて来ます。

よく聴くと、音は天井の方から聞こえている事に気が付きました。
気付くと同時に電灯で天井を照らすと、何かがすごい速さでこちらに向かって来ているのが見えました。
その何かは天井を、照明の間を縫うように、トカゲのような動きでこちらにやって来ました。
一瞬の出来事で、身動きする暇もなく、私達の頭の上を通り過ぎ、廊下の奥へ消えて行きました。

顔を見合わせ、私が「今の見た?」と言うと、看護助手は「見ました、人間の上半身のような。。。あれ何ですか。。。」と顔を青くしていました。
私だけではなく、看護助手にも見えたものは、人間の上半身の様な物が天井を這っていく姿でした。

動物だったら困ると一応電灯を手に確認しましたが、痕跡は見当らず、そもそも廊下の奥に動物が身を隠せる様なスペースはないのです。
私と看護助手は仮眠も取れず朝を迎えました。

数日後、私はその病院を退職し、東京都内の病院へ転職しました。
現在その病院は訳あって閉院を余儀なくされ、廃墟と化しています。

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